執事の詐欺
学校に着くと、かなりの車の数。
しかも上品なお嬢様もいれば紳士的な次期社長の人もいる。
あたしは、普段の生活が慣れないため、車通勤だってそんな洒落たまねは出来ない。
だから、足を運んで毎日学校に来ている。
「お嬢様、わたくしも自分のクラスへ行きたいのですが??」
隣の瀬名さんがあたしにご丁寧な口調で問いかける。
多分…これが詐欺の瀬名さんなのだろう。
あえて口には出さない。
「どうぞ。わざわざお勤めご苦労様でした。」
あたしも他人のようにお礼を言う。
「では、お先に失礼いたします。」
と言って先に進んでいく瀬名さん。
「瀬名様ぁぁぁあ!!!!!」
突然聞こえた歓声と共にこんな言葉が聞こえた。
………え…?
せなさまぁ??
瀬名様って……詐欺師…??
視線を瀬名さんの方へと戻す。
いつの間にか、大勢のお嬢様が瀬名さんを囲んでいる。
瀬名さん…アイドルじゃないよね??
結構、人いるんですけど。