執事の詐欺
ボーッと瀬名さんの方を見つめる。
……瀬名さん…人気あるんだ。詐欺師なのに…。
騙すことも上手ければ、落とす事も一人前なのか。
……悔しいけど、尊敬してしまう自分もいる。
「なーにしてんのさ」
ドンッ
「うわぁ!!」
誰かに背中を押されてしまい、姿勢を崩してしまう。
痛い………
「もう……誰さ……」
叩かれた背中を抑えて振り返る。
あ……
この人たちか。
「なーに??瀬名様見てんの??」
「お前!あんな奴が好みなのか??」
目の前にはお嬢様とスタイルの良い男子が立ちはだかる。
「楓……日向……」
あたしの唯一の幼なじみ。
新城グループの
新城 楓
新城 日向
ホテルを経営している会社で双子の2人。
何故か、合併はしていないのだけれど親同士が仲が良く、対面する機会があった。
性別は違うけれど、顔がそっくりでサバサバしている性格も似ている。