執事の詐欺
「ただいま。」
あたしのこの一言で、
メイドの人達、執事が一斉に並び
「おかえりなさいませ。香弥様。」
深々と頭を下げる。
そんな状況を見てあたしはまたため息をつく。
…と、考えていたらあっという間に手に荷物が無くなっている。
皆さん…行動が素早いですね。
あたしは手ぶらで部屋に行こうとすると、
「香弥」
目の前にお母さんがいた。
「あ、お母さん。どうしたの?」
お母さんが来る時は…色々と厄介な話しかない。
この前は…お見合いとか言われた始末…―
もちろん断ったけれど…
あたしもまだ高校生。
お見合いなんて…まだまだ早い。
今度はなんだろう。
まぁ…いい事ではないのはわかっているけれど…。