執事の詐欺



顔の眉を歪ませて、お母さんの言葉を待っている。



どうしよう!?


今度は婚約者が現れたりなんかしたら!!!


でも…その可能性は十分にある。



そう考えると…足が震えだしてきた。



「香弥?どうしたの?」


あたしの足を見て、心配そうに問いかける。


「大丈夫だから。話を続けて。」


そう言うと「あら、そう・・・」と言ってお母さんはあたしを見た。


思わず息を飲み込んでしまう・・・


「香弥」


「はい・・・」


さよなら!!!あたしの青春っ!!



「あなたに専属執事ができたわよ!!」



・・・・・・・・


「はい?」


「だ・か・ら!香弥の専属執事が今日から来るの!!かなりイケメンよ!!!」


にっこり笑うお母さん。

・・・婚約しないで良かったんだ。



ホッと安堵のため息が出て、胸を撫で下ろす。



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