執事の詐欺
あれ・・・?
でも・・・お母さん執事って言ったよね?
「執事が来るの!?」
「・・・だからそう言ってるじゃないの。」
そんなのいらない!!!
ただでさえ、こんな憂鬱なのに・・・執事だなんて!
1人の時間がなくなってしまう!!!
「大丈夫だよ・・お母さ」
「奥様、お客様がおみえになられております。」
メイドさんの呼び出しで惜しくも言いだせなかった。
「多分、執事だわ。香弥、着いてきなさい。」
スタスタと進んでいくお母さん。
本当は行きたくない。
足を動かしたくない・・・
けれど「はい」としか言えなくて、着いていくだけしか出来ない。
「多分、お父さんと話をしてる最中かもしれない。」
そう言ったお母さんは書斎に向かっていく。
今のあたしには、不安しかない。
それでもあたしはお母さんの後ろを着いていく。