もしもキミが。
学校の校門を出ると。
そこに寄り掛かる。
だって、1人で帰るのいやぢゃん!
怖いぢゃん!変質者とかに遭遇したら。
それに、1人より、2人の方が
犯罪にあいにくいんだぜよ!
ケッケッケッ、
ストーカーのようにいつまででも待っててやるよ…。
…でも、千尋はいつまでたっても出てこなかった。
6時、7時…時間はどんどん過ぎるけど、
いつまでたっても出てこない。
音楽室の電気はついていて、
そこからは静かなピアノの音だけが響いていた。
あんなに上手く弾ける人がいるんだぁ…。
私は半ば感心しながら、
「もう帰ろう。」
1人、呟いた。