もしもキミが。

 「ただいまぁ。」

 ガチャ、玄関のドアを開けると

 そこからは話し声が聞こえてきた。

 あぁ?私抜きで楽しみやがって…。
 
 ゆ、許せん…。

 「ハイ、ただいま、ただいまぁ。」

 リビングのドアを開けると、

 お母さんが

 「遅かったわね、どうしたの?」

 と聞いてきた。

 「ちょっとね。」

 手洗い場に行きながら答えると、

 「また何かやらかして、先生に怒られてたんじゃないのかっ?」

 んなっ!し、失礼な!

 こんな失礼極まりない発言をするのは

 私の馬鹿お兄ちゃん。
 
 私がいつなのをやらかしたってゆーんだ!

 まるで私が問題児みたいな言い方をしやがって。

 ゆ、許せん、許せーん!

 「ちゃうわ!問題児はどっちやっつぅの!」

 私が小さく呟いたと同時に、

 「えぇっ?咲!あんた何したのよ?!」

 馬鹿兄の冗談(?)を本気にしてしまう

 母も、どうかと思う…。

 そんなに私が悪いヤツに見えるかっ?

 お母さん、私は悲しいよ…。

 親にも信じてもらえないとは…トホホ。

  

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