もしもキミが。

 千尋は過去に、親友を亡くしている。

 自殺、だったらしい。

 千尋は自分が気づいてあげれなかったことに

 後悔ばかりしていた。

 そんな自分を変えるために、

 転校を決めたのかもしれないね。

 私はよく知らないけれど。

 
 そして、約束したんだよね。

 毎日一緒に、中庭でお弁当を食べようって。

 それから私たちは仲良くなっていったんだ。

 今ではね、まぁ……この通り。

 「親友」にトラウマがあった千尋も、

 私の事を「親友」だと言ってくれた。

 素直に、嬉しかったよ。

 

 「ねぇ咲!早く食べよ~。お腹すいた~!!」

 千尋の声で、記憶からふっと返る。

 「あ。ごめんごめん!食べよっか。」

 
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