もしもキミが。
「咲、宿題出来てる?」
ニコニコ笑顔で聞く、千尋。
「私が、出来てるとか思ってんの?」
苦笑しながらも、去年と同じセリフ。
すると千尋も、苦笑した。
「だよね。咲がちゃんとしてたら、
1年中雨が降っちゃうもんねぇ…」
んなっ!し、失礼な…。
「今年は理科のレポートがあと少しだけな
のに。」
1人でため息をついて机に向かうと、紙が
ない。
慌てて探そうと下を向いたら、
上から声が降ってきた。
「プハッ、何1人で百面相してんの?」
んなっ!またまた失礼なっ!
もう千尋なんて頼らないぃ~っ!!
「よく出来てるよ、このレポート。」
へっ?あっ、ぜ、前言撤回!!
千尋さんこれからもよろしくよぉぉぉぉ。
「まぢでっっ?!」
「この辺、すっごくいぃよ。
でも、しいていうなら…」
千尋はそこにあった私の数学のノートを掴
んで、走り書きをした。そして…
ビリッ。はっ!や、破いた…。
私のノートなのに…勝手に…破いたぁぁ。