もしもキミが。

 まったく、千尋には到底敵わない。

 ま、千尋だから良いわけで。

 『千尋だから』

 『千尋だけ』

 そんな言葉をよく使うようになったと思う。

 きっとそれは、千尋が

 『特別』

 だからなんだろう。

 『特別』

 なんだか、眩しいような

 くすぐったいような言葉。

 きっと私のことをそんな風に
 
 思ってくれるのは、千尋だけ。

 私がそう思うのも千尋だけ。

 そう決めてた。

 なのに…ごめんね、千尋。

 これから起こる出来事を、

 私たちはまだ何も知らなかった。

 
 
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