無邪気な欲望



「他にも何かあるのぉ?」



いそいそとお弁当箱を片付け、食堂で買ってきたクリームパンを食べようとしていた笑里ちゃんから声を掛けられる。


彼女いわく。


このクリームパンはデザートらしい。


あんな大きなお弁当をあっという間に平らげてしまった上に、まだ入るなんてすごい……。


とにかく。


そこはスルーして話を続けた。



「あのね。風紀委員のみんなの事なんだけど」



すごい目つきでこちらを見ている晶ちゃんから視線をそらし、私は笑里ちゃんに向き直る。



「前からそうなんだけど、みんな雑賀先輩には注意しないの」
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