無邪気な欲望



前回も前々回もそうだった。


風紀委員のみんなはいつも、雑賀先輩の身体検査をしないで毎回無視してる。


問題はそれだけじゃない。


先輩は校則違反の常習者であると同時に、遅刻・早退・サボリの常習者でもあるのに、その件に関しての指導もまるでされてなくて、完全に放置状態。


先生や風紀委員のみんなは極力、先輩に関わりたくないんだって。


私が入学する前からそうだったらしいけど……、やっぱりおかしいよね。



「ねっ。どうしてだと思う?」



「それはぁ……」



「言っても無駄だからに決まってんでしょーが」



笑里ちゃんの言葉を遮って、苛立たしげに呟いたのは晶ちゃんだ。


晶ちゃんは不機嫌な表情で、紙パックのコーヒー牛乳を飲んでいた。
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