無邪気な欲望
「ま、まあ。あくまで噂だし……。ホントの所はどうだか……」
「でも校内で目撃証言もあるって……」
「笑里!!」
さらに追い打ちをかける笑里ちゃんに、晶ちゃんは一喝する。
「雑賀先輩、まさかそんな事までしてたなんて……」
「千奈ちゃん、目撃情報では保健室とか屋上とか体育倉庫なんかが……」
「笑里――――――――――!!」
それでも懲りずにまた余計な事を補足して、雷が落ちた。
「と、とにかく!! 今言った通り、雑賀先輩は危険な噂がある人だから、あんまりかかわってほしくな……」
これ以上、笑里ちゃんに口を開かせない為、無理やり話を変えようとした晶ちゃんだったけど、すでに私の頭には雑賀先輩が学校のいろんな場所でとんでもない事をしている情報がきっちりと記憶されてしまった。