無邪気な欲望


お説教を始めた晶ちゃんだけど、笑里ちゃんに何を言っても結局は馬の耳に念仏で、ちっとも反省していないのが一目でわかる。


晶ちゃんもそれがわかってるみたいで、どんどん言葉が乱暴になっている。


変にかかわらない方がいいかも……。


そう思った私は2人の事は放っておいて、雑賀先輩を探しに行く事にした。


ちょっと今回の話は人に聞かれるとマズイし、2人きりで話し合わないと。


俄然やる気になった私は、言い合ってる2人(一方的に晶ちゃんが)に一応声を掛けた。



「とにかく、私。雑賀先輩と2人で話し合ってくるね」



その言葉に驚いたのは晶ちゃんだ。



「あっ待て! コラ!! 2人でってなんだ、千奈!!」


弾かれたようにこちらを振り返った晶ちゃんの言う事も聞かず、私は一目散に教室を飛び出していった。
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