無邪気な欲望


雑賀先輩と話をすると言って勇んで教室を出て来たのに、鬼の形相をした晶ちゃんとある意味怖い笑顔を浮かべた笑里ちゃんが、ものすごい勢いで私の後を追いかけてきた。


捕まったら面倒だし、必死になって逃げたけど、なかなか振り切れなくて……。


ようやく2人から逃げ切れたのは、昼休みも残りわずかな頃だった。



「この時間じゃ雑賀先輩、探せないなぁ」



教室の時計を確認し、私はため息をつく。


晶ちゃん達のおかげで無駄な時間を過ごしてしまった。


もちろん2人が私を思ってくれてるのはわかってるし、とっても嬉しいんだけど。


ちょっと心配しすぎだと思うの。


子供じゃないんだから、自分の事は自分で何とか出来るもん。


それなのに晶ちゃん達は……。
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