無邪気な欲望


「ひどい言い様だな~。だったらなんでわざわざ声掛けたんだ?」



「あ!?」



言われて私はようやく本来の目的を思い出した。


信じられない!!


先輩のペースに巻き込まれて、すっかり忘れてしまってた。


風紀委員の役目を……。



「身体検査、受けて下さい!!」



気を取り直し、私は再び風紀委員らしく毅然とした態度で先輩と対峙した。



「あ~。そういう事ね」



雑賀先輩はどこかわざとらしい、芝居がかった動きでぽんっと大きく手を打った。



「そういう事ね、じゃないです! 知ってて無視したんでしょ!?」



「あ、バレてた?」



「バレバレです!!」
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