無邪気な欲望



「でもその割に、俺が言い出すまで、目的忘れてたよな?」



「っ!?」



図星をさされ、思わず言葉に詰まってしまった。



「あはははは!! 超素直。おもしれ~」



ふざけておどけてばかりの先輩に、イライラは頂点に達していたけれど、ここで感情的になってしまったら、またさっきと同じ事の繰り返し。


私は努めて冷静に対応するように心がけて、話の流れを戻した。



「先輩、私いつも言ってますよね! ちゃんとして下さいって。それなのになんですか、その髪は!?」



人を指さしちゃいけないって言われてたけど、先輩のソレに関しては指ささずにはいられなくて。


完全に校則違反な金髪頭を遠慮なく指し示し、私は小言を続けた。
< 8 / 72 >

この作品をシェア

pagetop