無邪気な欲望
「でもその割に、俺が言い出すまで、目的忘れてたよな?」
「っ!?」
図星をさされ、思わず言葉に詰まってしまった。
「あはははは!! 超素直。おもしれ~」
ふざけておどけてばかりの先輩に、イライラは頂点に達していたけれど、ここで感情的になってしまったら、またさっきと同じ事の繰り返し。
私は努めて冷静に対応するように心がけて、話の流れを戻した。
「先輩、私いつも言ってますよね! ちゃんとして下さいって。それなのになんですか、その髪は!?」
人を指さしちゃいけないって言われてたけど、先輩のソレに関しては指ささずにはいられなくて。
完全に校則違反な金髪頭を遠慮なく指し示し、私は小言を続けた。