夏コイ★1ヶ月の特別な時間
ドキドキと鼓動が聞こえる。
この音……爽太くんに聞こえてないよね?
だけど、その鼓動はだんだん苦しくなっていった。
発作だ!!
あわててバックの中を探って薬の入ったケースをだす。
薬……ないっ
ケースの中には発作を止める薬が入っていなかった。
ここ最近、発作がなかったから油断した。
「ハァ……ッ、ハァ……」
さすがにあたしの異変に気づいたのか、爽太くんはあたしの名前を呼ぶ。
「夏海?おいっ、大丈夫か!?
夏海!!夏海!!」
どうしよ……景色かすんできた……。
だんだんと遠のく意識の中で、爽太くんの姿がかすかに見えて、あたしの記憶は途絶えた