夏コイ★1ヶ月の特別な時間



次の日、あたしは神社に言った。


そしてあたしの手には白い花が握られている。


祠につながる道をあたしはゆっくり、一歩一歩踏みしめた。




花おばあちゃんに聞いた話を思い出す。


あたしも女の人のように気持ちを伝えられないまま終わるんだな……


あたしは祠の前にしゃがんだ。



「でも、あたしは一緒にいれて楽しかったよ。」



そう言って花を生けた


「恋は叶わないけど、それ以外のものをたくさんもらったから。

恋も叶っちゃったら欲張りすぎだもん。
あたしはこれでじゅーぶん」



あたしは手を合わせて目を閉じた。


狐さん……天国で女の人と男の人は幸せになれたかなぁ……。

もしまだ気持ちを伝えられてなかったら――――……



「ふっ。まさかあたしじゃあるまいし、それはないかっ。」



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