夏コイ★1ヶ月の特別な時間
「わぁ……。」
フェリーが止まった瞬間、あたしはすぐに荷物を持って外に飛び出した。
強い紫外線も今は気にならなかった。
東京以上に暑い気温や、耳をつんざくほどのせみの声。
でもそれに負けないくらい島は美しい場所だった。
島に足を踏み入れようとすると、40代半ばの夫婦がたっていた
「夏海ちゃん?」
すらりとしていて人懐こそうな笑顔の女の人に名前を呼ばれる。
「………はい。」
「初めまして、あなたのお父さんの従兄弟の米山和葉(よねやまかずは)よ。」
「旦那の陽一です。よろしくね、夏海ちゃん。」
日焼けした肌にやさしそうな笑みを浮かべる陽一さん。
「はい!!1ヵ月間よろしくお願いしますっ。」
ここの生活が楽しみだなぁ……。