夏コイ★1ヶ月の特別な時間


「夏海ちゃん、ここのとこなんだけど……。」


「ん?あぁ、それはここをね」



セミの鳴き声と時々発せられる言葉。

風がふくたびにかわいらしい音をたてる風鈴

あたしはムダな音が何一つない空間が心地よく感じた。











ずっとこの瞬間(とき)が終わらなければいいのに……


フワリと揺れるカーテン


その先にチラチラとみえる真っ青な空と、ふわふわとした大きな入道雲。







東京にもあったはずの風景が、ここでみると特別な景色に変わっていく気がした。


< 51 / 210 >

この作品をシェア

pagetop