夏コイ★1ヶ月の特別な時間
「夏海ちゃん、ここのとこなんだけど……。」
「ん?あぁ、それはここをね」
セミの鳴き声と時々発せられる言葉。
風がふくたびにかわいらしい音をたてる風鈴
あたしはムダな音が何一つない空間が心地よく感じた。
ずっとこの瞬間(とき)が終わらなければいいのに……
フワリと揺れるカーテン
その先にチラチラとみえる真っ青な空と、ふわふわとした大きな入道雲。
東京にもあったはずの風景が、ここでみると特別な景色に変わっていく気がした。