夏コイ★1ヶ月の特別な時間
「そういえば知ってる?」
爽太くんのお母さん特製の夏野菜カレーをお昼に食べているとき。
美希ちゃんが口を開いた。
「ん?」
爽太くんは熱いカレーをかきこみながら返事をする。
「この間聞いた話なんだけど、この島のどっかに古い祠があるんだって。」
あれ……この話って……。
「それでね、その祠に白いお花を生けると恋が叶うって話なの♪」
やっぱり……昨日和葉さんから聞いた話だ。
「あたし、昨日和葉さんからその話聞いたよ。」
「ホント!?
なんかさ、こんな田舎な島にもロマンチックな話があるから気になっちゃって♪
ねね、一緒に探さない?」
目をキラキラさせてあたしをみる美希ちゃん。
「あたしはいいけど……美希ちゃんもしかして好きな人いるの?」
「いないよ♪
でも好きな人できたらすぐにそこに白いお花を生ければいいんだもん
下見みたいな感じ?」
けろりと言った美希ちゃんは美味しそうにカレーをほうばる。
まぁ、ここにいる間は思い出つくりたいし……。
「いいよ。
あたしも協力するっ。」
「ホントに!!やったぁっ」
無邪気に喜ぶ美希ちゃん。
かわいいなぁ……。