夏コイ★1ヶ月の特別な時間


「ここが夏海ちゃんの部屋よ。好きにつかってね」



「ありがとうございます。」




六畳ほどの畳の部屋に案内されたあたしは、すぐに荷物をだす。




東京の家に居た頃は常に外から車の行きかう音が聞こえた。

だけどいま聞こえるのはせみの声だけ。


東京に居た頃は居ることがうっとおしかったせみもここに来ると心地よく感じてしまう。






外も気になるな……。


家のすぐ裏には山へ繋がっているのか、登り道があったのが見えた。






「和葉さん、裏の道ってどこに繋がっているんですか?」


お昼の支度をしていた和葉さんが、ん?といって振り返る。



「あぁ、あそこを上がっていくと山の山頂につくの。

そんなに高くないし、道も一本道しかないしよかったらいってみたら?
景色もすごくいいからオススメよ。」



ニコッと笑う和葉さんの笑顔に好奇心を膨らめるあたし

















「じゃあ、いってみます。」


「えぇ、あと30分くらいしたら帰ってきてね。」


「はいっ。」





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