夏コイ★1ヶ月の特別な時間
そんなこんなで太陽はあっという間に西に傾いていった。
「なんかこっちに来てから1日が早いなぁー……。」
「そう?東京のほうが色々あって楽しいでしょ?」
美希ちゃんは不思議そうな顔をみせる。
「なんだろう……東京には無いものがたくさんあるからかな……。」
「ま、楽しいには変わりねーだろっ。」
ケタケタと笑う爽太くん。
夕日をバックにしているせいで髪の毛が明るく染まっている。
「爽太のそのおちゃらけたところが実はモテるんだけどねー。」
「えっ?」
あたしの耳元でコソッと呟いた美希ちゃん。
あまりに突然のことでうまく反応ができない。
「ただ、バカすぎる故に恋愛には疎いんだ。これがまた。」
はぁ……とため息まじりに呟く美希ちゃん。
その間も爽太くんは何が楽しいのか、ずっとケタケタと笑っている。