ヒトコエ。



あたしは筆箱から
消しゴムを取り出して

机を思いっきり擦って
けしかすを投げてやった。


「おいっ、きたねーな」


ぽいっぽいっ


「雄吾の机が消しカスの
海になるから、そろそろ
止めたげなさいな」



あたしは消しカスを
製造していた手を止めて、


『エロ雄吾。』

と呟いてから、

制服のポケットに入っていた
携帯を開いた。

「いや、エロは関係ねーし

俺はエロいけども」


もちろんそんな雄吾の話は
右から左へ抜けていった。


『ちょ、ちょ、

長谷川さんっ』


あたしは携帯を一度閉じて
りさを手招きした


雄吾と盛り上がっていた
りさは一旦話をやめて、
私の方を向いた


「なあ~に?」


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