箱の内の少女

「....でさー。そいつがシュート入れるとき~...」


他愛のない話のオチに目を細める。

その反応に清汰は満足そうに満面の笑みをむけた。


「じゃ、そろそろ帰るな。
夜、腹出して寝るなよー。」

お前の事だろう、と思いつつ


「ありがとう。」

と感謝を告げた。


―――――ガタン


扉の閉まる音が聞こえると、私はベットに体を預けるように寝転んだ。


...先ほどもらった白い封筒を開け、中身のかみに綴られている文字を丁寧に読んだ。


内容は、いつもとさほど変わらぬものだった。

お見舞いにいけない事についての謝罪と、
退院にむけて頑張れ、などのありきたりなものだ。

親の手紙をありきたりなもので済ませる私は良い奴、とは到底言えないだろう。


手紙を傍にある白い物置に置き、一息ついた。



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