箱の内の少女

問い。



5年前――――――


私、西城ことはは、小学五年生だった。

成績優秀とまではいかないが、そこそこ頭もよく読書が好きな少女だった。

孤立していたわけではないが、微妙な位置にいたと言えただろう。


そんなある日、私は拉致られた。


登校中でかい男と思われる者に抱えられ車に入れられ....連れ去られた。

その男の真の目的は母の会社の破綻。

ライバルの旅行会社のまわし者だったのだろう。

その人質として私を拉致した。


あんな事は初めてだった当時の私は怖くて仕方なかった。

だけど、泣かなかった。

ずっと無言のまま微動すらしなかった....つもりであった。

実際は動いてるだろうが、当時の私は動かないでいたつもりだったのだ。


最終的に私は解放され、犯人も捕まった。



...しかし....

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