箱の内の少女
私は、笑えなくなった。
笑おうと思えないのだ。
笑い方を覚えていないし、思い出そうともしない。
気にならないわけではい。
だけど、考える事もしようとしないので放ってる。
そんな感じだ。
それが、私の5年前からその後だ。
私はあの時からこの病院に入っている。
この、白い箱に。
五年間、ずっと。
....ずっと。
だから、私にとってここはほとんど私の『世界』そのものだ。
とは言ってもほぼ同じ毎日、同じパターン、繰り返し、リピート状態なのだ。
そのせいか、私の感情は余計に麻痺し、大して顔に出さないし、無関心になった。
だけど、
『私はこの“白い箱”からいつ出れるのだろうか?』
これだけは、行き場無しのどうしようもない疑問文だった。
.....一生このままなのだろうか―――――
あるはずの世界の色彩が無くなったような気がした。