箱の内の少女
さくっさくっ....
また、あの軽い音をさせながら柔らかい芝を歩く。
足音に迷いを滲ませて。
どこなの?
その声は少しずつ大きくなっているのを感じた。
近づいて、いる、の?
さくっさくっ.....
長い時間をかけたような気がした。
苦しみがあるはずなのに、足は止まらない。
... .えん にきっ と
わた . .. .が . .えがお
み る.. ...いで しょ う
綺麗な....そぷらの、と言うのだろうか。
大きな木の前で足を止めた。
私は少しだけ考えた。
歌は止まっていたのだ。
だけど
なぜか
――――――もっと聞きたいと思った。