白銀の女神 紅の王Ⅱ
銀色の髪から覗く白いうなじとむき出しになった肩。
エレナが着る夜着はいつもきわどい。
時折そのきめの細かい肌が触れ、咄嗟に離れるのは自分を制御する為。
これが男を誘っていると言うのが分からないのか…
いや、分からないのだろうが。
毎夜同じベッドで寝る男の身にもなって欲しいものだ。
「ぅ……んっ……」
身じろぎするエレナ。
サラッ……――――
その拍子に髪がベッドに流れ落ち、更に白い肌が露わになる。
クソッ………
「これくらいは許せ。」
ジリッと焼き切れる様に脆くなった理性が身体を動かす。
しっとりと手に吸いつくような滑らかな肌。
エレナの肩を掴み、その背中に唇を寄せる。
ちょうど、矢の傷がある所―――
その周りに赤い花を散らす。
唇を離した時には、赤々と咲き誇る花が散っているように所有印を刻みこんだ。
白い肌によく映えるそれを見て、少し憂さは晴れたが…
グルリ……――――
「ッ………!」
いきなりエレナが寝がえりを打ったかと思えば、自ら腕の中に飛び込んできた。