白銀の女神 紅の王Ⅱ
長い口づけ―――――
「ん……」
胸に添えられた手がキュッと服を掴み、甘い吐息が漏れる。
エレナがこうして素直に口づけを許すのは珍しい。
大抵、顔を真っ赤にしながら逃げるか、胸を叩かれて離れる…というパターンが多かった。
それで止める俺も俺だが……
「ふぁ……んっ…」
深く口内を貪る様な口づけを降らせば、苦しそうな…けれど、甘い声が上がる。
ずっと柔らかい唇を味わっていたいと思う反面、またエレナに逃げられては元も子もない…と思いつつ唇を離した。
「は…ぁ………」
口づけの余韻が唇に残っているのか、暫しトロンとした表情のエレナ。
小さな体は支えていなければ崩れ落ちそうだ。
これだけでこの有様では先が思いやられるな…
先………?
ふと、嫌な予感が頭をよぎる。
「エレナ」
まだくにゃりと力の入っていないエレナに呼びかければ、ゆるゆると視線をこちらに寄越す。
そして、一抹の不安を胸に抱えながら先ほど感じたことを口にする。
「お前、子供がどうやったらできるのか知ってるのか?」
何とも間抜けな質問だ。