One night lover
席へつくと、彼は私の分までお水を持ってきた。

水をテーブルの上に置き、彼は座る。

「で、話ってなんですか?」

「あ、じゃあまず俺は藤森優っていいます
もう知ってるよね…、
で、ほとんど初対面のミユキちゃんにこんな事言うのもなんだけど…
俺の彼女のふりしてください!!」

「は…!?」
私は目をぱちくりさせる。
「はは…急にこんな事言われても困るよね」

「はい」
彼の言葉に、頷く。
「でも、俺も困ってるんだ…
今日さ、俺の母親が今どき見合いを進めてきて
いきなり明日くるって言うもんだから
他に誰も頼める奴いなくて…」

「断れば…?」

「母は強引で
それが出来たら頼まないよ…」

彼は、ははっと困ったように笑った。

「どうかお願いします!
1日だけでいいんだ」

1日だけね。

「お願いします!」

彼は、両手を合わせ私に頭を下げる。

もう、こうなったら
乗り掛かった船だ…!

「わかりました…いいですよ」

やるしかない。
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