Birth.117.121
13年前のあの日、ここで何が起きたのか。
今歩くこの道を、何人の人が叫びながら走ったのか。
今笑って会話するお客さん達の、何人がどれ程の涙を流したのか。
想像してみても、到底追いつけるものではない。
以前、病気で亡くなったじいちゃんは、無宗派で半生を過ごした。
関東大震災で被害に合い、その時に宗教を捨てたと生前俺に聞かせた。
人が過ちを犯し、多くを犠牲にする戦争。
繰り返してはならない人為的な物を心に留め、忘れてはいけない事があるのはわかる。
天災はどうか?
何の前ぶれもなく、突如、一瞬にして失う多くの者、物。
繰り返してはいけないと語り継がれる戦争。
被災者は何を語り継ぐのだろうか?
何に祈り、何にすがり、何を恨み、信じた何に裏切られたのだろうか?