Birth.117.121
テレビや書物で安易に知る事の出来る情報は、本当の地獄ではない。
そこで何が起き、何が終わり、何に絶望し、何が生まれ、何が始まったのか。
それらを知っておかなければいけない義務がある。
忘れてはいけない義務がある。
毎日テレビや書物で知る様々な事件や事故。
記事にすらならない様々な苦難や悲劇。
その全てに同じ程の重みがあったとしても、やはり俺の性は全てには行き届かないのが現実なのだ。
自身や、身内に起きる悲劇と比べるとやはり圧倒的に違う重み。
対岸の火事だ。
しかし俺にとってあの日の神戸は、少なくとも遠い対岸ではない。