Birth.117.121

あとがき―



作中で、何度も『何』と言う言葉を多用した。

普通に生活している上で、得られる様々な情報は決して真実ばかりではない。

もちろん嘘だらけでもない。

深く追求すればわかる事も少なくはないが、ある意味では浅くても良い部分が多い。

知りたい……と思うよりも、知ってもどうにもならない事が多い。

繰り返される事件や事故の、全ての重みを理解し、同じ気持ちを共有するのは不可能だ。

更にはおこがましい。

そして意識は、自分に照らし合わせて関心を選択する。

自分に近いものがあればある程、近ければ近い程、関心は高まり、同調する。

逆に遠すぎるからこそ関心を引く事も多い。

その二つの関心は、自分の中では『興味』という言葉が当てはまる。

その言葉に反発し、何度も自分に置き換えて考えようと試みる。

そして深みにはまり、徒労に終わるのである。

< 18 / 27 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop