Birth.117.121
一見しただけではわからないだろう。
13年の歳月は街を着実に復興させている。
しかし、13年も経っているにも関わらず、至る所に見える傷跡。
いや、たった13年。
目に見える僅かな復興に力を注ぎ、その実何も回復出来てはいない。
少なくとも13年で回復するには、心の崩壊は短すぎる時間だ。
目の前に立つ、倒壊したはずの百貨店。
これらは13年もの月日をかけて、彼等が作り直してきた街の一部だ。
もう13年。
まだ13年。
たった13年。
長い長い13年。
思考が交錯するものの、考えはうまく纏まらない。
百貨店での打合せを終えた後、街を意味なく歩いた。