名探偵と弟
「死に…たくないよ。痛い、こんなに痛い」
腹部には、包丁がささっていた。


「助けて…」

「絵、描きたかったな…」


救急車の必要は、なくなってしまった。


彼女の絵をはじめてみた。僕の絵であった。


彼女は僕の絵を描いていた。

彼女の携帯が震えた。
僕は、少し迷ったが、
メールを見てみた。



『色々あったし、メールじゃなくて、今度ちゃんと言う。
付き合ってほしい』


彼女へのメールが後少し早ければ、彼女は、僕の元を去り、
生きれたかもしれない。
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