四十階段物語
第四章.突入開始
新校舎と旧校舎をつなぐ渡り廊下を抜け、ついにここまで来てしまった。
「けほっ・・・埃っぽいですね・・・」
「それに所々蜘蛛の巣まであるじゃねーか・・・。掃除してんのかよ?」
いや、していない。
俺が三年生の時に離任していった公務員さんが言っていた。
「旧校舎は掃除をしちゃいけないんだよ」と。
結構仲が良かった方だったので理由を問いただしたが、「分からない」の一点張りだった。
そしてこう言った。
「旧校舎に足を踏み入れると一生戻ってこれないんだって」
・・・このことをサクラに言ったとしても、スルーされるに違いない。
というか、あり得ないんだけど。
あまり気にすることなく、屋根裏部屋に近づいていく・・・。