四十階段物語



「えっと、たしかここら辺よね?屋根裏への階段があるところ・・・」

サクラがきょろきょろとあたりを見る。



「あ、あれじゃないですか?」

ビンゴが指さしたのは、上だった。

天井。



「あそこだけ色が違います。金具も付いてますし。棒を使ってひっかければ、階段になる仕組みじゃないでしょうか?」

「たしかに一理ある」

「でも、棒なんてあんのか?ガラクタばっか置いてあっけど、長い棒なんて・・・」

「あったわよ!」



サクラが手にしているのは・・・玉入れに使う、かご。の、棒。



「なんでか知らないけど廊下に放置してあったわよ!」



ああ・・・なんでこんなに物事が淡々と進むんだ・・・。



< 12 / 52 >

この作品をシェア

pagetop