四十階段物語
一番背の高いゴータが棒で金具をひっかけて、おろす。
天井の一部が下がってくるのとともに重くなる棒を皆で支える。
「きたぞー!」
そっと床へ落とし、舞い上がったほこりを手で払う。
「階段・・・だね・・・・・・」
「本当に・・・あったんですね」
目を丸くして、それを見る。
「でも、もろそうだな・・・」
もっともだ。
木が古いぞ・・・大丈夫か?
少し触っただけできしきし言ってるし・・・。
「・・・上が・・・見えないわね・・・」
四十段ある階段だ。しかも段差が急。
見えなくて当然だ。