四十階段物語
「大体分かったわね?皆」
「おう!上るぜ!」
「ご、ゴータ君太ももをつねらないでください・・・分かりました、行きますよ!」
「じゃあ行くぞ」
そして俺は五段目を上る。
六、七、八・・・と足をかけていく。
サクラは「大丈夫?」と声かけを何度もしている。
ゴータとビンゴは頼りない声で返事をする。
・・・やっとの十六段目。
まだ半分もいっていないが、暗がりの中で、ひとつだけよく分かったことがあった。
・・・空気が、冷たい。
気持ち悪いほど纏わりついてくる冷気。
しかし時々生ぬるい。
なんだか足首が・・・
氷をつけたように、冷たい。
そして重い。