四十階段物語
第七章.減る仲間
「・・・どっ、どうだったんですか!?やっぱり・・・」
ビンゴが震える声でたずねる。
「ああ。ゴータはいない」
気の毒だが、本当の事を言わざるを得ない。
嘘をついてもごまかせないことなのだから。
「な・・・なんで・・・」
「そうね・・・確か音が聞こえたわよね?ってことは階段を踏み外したのかしら・・・」
「その可能性も否定できないが・・・。あの仕掛けかもしれない。ミシミシって音が鳴ったのと同じやつが」
「・・・もしそうだとしたら・・?」
「誰かがゴータを捕まえた。・・・と考える」
「そんな・・・!」
だが、ゴータなら抵抗できると思うのだが・・・。
やはりただ踏み外しただけか?