四十階段物語



しかし女王さまはここで降りるわけにはいかないようだ。

サクラは言った。


「ここまで来たんだから、最後まで行くわよ!」


こんなときに不謹慎だが、俺は思う。

こいつの前世はヨーロッパの女王に違いない。



「・・・あと・・・」



声を落として言葉は続いた。





「ゴータを攫った奴を、絶対捕まえる」





声でしか判断できないが、サクラは真剣そのものだった。






< 31 / 52 >

この作品をシェア

pagetop