四十階段物語
一度悪い想像をしてしまったら、その後の道のりが長く感じる。
段数をカウントするのに早く60になれという気持ちが先走ってミスしてしまうほどだ。
「ビンゴ、大丈夫か?」
「は、はい・・・」
辛うじて返事はしているが、不安だ。
「サクラ・・・」
「早く行きなさいよ!ペース乱れてるわよ!」
サクラは気が気でない様子で・・・。
「さっきから数え間違いばっかりよ!私がやるから、あんたはペース上げて!」
俺の仕事を奪い取った。
言いつけどおり俺は階段をのぼる足をはやめる。
それとともにサクラの数える段数も多くなる。