四十階段物語
「・・・私の、せいだ・・・」
今にも泣き出しそうな声だった。
「私が、怪談試そうなんて言ったから・・・だから・・・ゴータとビンゴは・・・」
「違う。サクラのせいじゃない」
「私のせいよ・・・」
サクラは他人に厳しいが、自分にも厳しい。
自分が犯した罪や迷惑をとことん後悔する。
そして自分を責める。
「・・・上まで行って、ゴータを攫った奴を捕まえるって言ったのは誰だ」
冷めた空気に俺の声がよく響く。