四十階段物語
「お前だろう。こんなことになったのがお前のせいだと思うんなら、その敵はお前が討て!」
「・・・」
「二人が欠けた今、俺一人ではだめなんだ。サクラの力が必要なんだ。二人がどうなってもいいと言うのならサクラはここで降りろ。俺は行くぞ」
「・・・待って!」
いつか先に帰ろうとした俺達をひきとめたときのような大きな声だった。
「私、捕まえる。どうなってもいいなんて思うはずがない!私は行くわ!絶対に敵を討つの!」
「そうでなきゃ」
俺はサクラに微笑みかけ、グーを出した。
サクラもそこにグーをつける。
大事な時にしか使わない、俺たち四人の合図だった。
【あと 3回】