四十階段物語
第八章.ふたり
その後の俺たちは順調に足を進めていった。
時々大丈夫かという会話をはさみながら。
「・・・ねぇ」
サクラは言った。
「・・・手、つないでいい?」
俺は驚いた。
何故ならサクラが甘えてくることなんて、今までに一回もなかったから。
「だ、だって、一番後ろは私じゃない?そしたら次は私の番じゃない?・・・だから」
俺は無言で手を出した。
何か言うのが照れくさくてできなかったのだ。