四十階段物語
「そうなの?私が教えようか?」
「いえ、もう終わったんで。じゃあ、先生さようならー」
「はい、さようならー」
ビンゴはひとりだけランドセルをかつぎ、そそくさと教室を出た。
冗談じゃない。
「おい、ビンゴ、一緒に帰ろうぜ!」
お前だけ怪談見に行かねえなんてずりいぞ!
先生に挨拶をして、ビンゴを追いかけた。
「え、おい、待てよ!」
ゴータもどすどすと音を立てて走ってくる。
「待ちなさいよ!」
サクラはこれでもかというほどの大声を張り上げた。
くっそ、鼓膜がもたねぇ。