四十階段物語
「・・・ぐえっ!」
ゴータのもがき声が聞こえた。
「逃げるなんて・・・あんたたち結構な度胸ね~・・・」
ヤバい。
サクラの目がぎらぎらしてる。
「わ、分かったから、放せって!」
どうやらゴータはTシャツの首の部分を掴まれていたようだ。
こんな思いはしたくない。
まだくだらない怪談につきあう方がましか・・・。
どうせ何も起こらないんだし。
「ショウタとビンゴは?」
「俺は行くけど・・・」
「ぼ、僕も行きます・・・。けど、必ず9時には帰らせてくださいよ。お母さんが心配するので」
「分かったわ。ムードが足りないけど行くに越したことないものね」
女王さまは合点がいったようだ。
ほっ。