四十階段物語
第三章.集合
――時計が、5時55分を指した。
「・・・行くか。」
あいにく空は明るく、自転車を使えば学校へは3分でつくだろう。
雨どしゃぶりで風が台風級で木が根元から折れていたら行かなくてもよかったかもとか思ったけど、サクラなら「そんなの学校に入れば関係ないわよ!」とか言って容赦なく呼び出すだろう・・・。
どちらにしろ逃げ出せないっていうことだ。
俺の家は両親共働き。
夜遅くならないと帰ってこないから、9時帰宅ならまあばれないだろう。
だがゴータやビンゴの家は外出に対して厳しくて、ゴータは悪ふざけをしないように、ビンゴは遊んでる暇があったら勉強しなさいって言われてるようだ。
サクラの親はおてんばな娘(それだけですまないが)に手を焼くのをあきらめているらしい。
ゴータとビンゴは何かあるたびに俺の家が羨ましいというが、俺は逆に・・・・・・。
・・・遅刻すると痛い目にあう。
早く家を出よう。